一瞬の光

白石一文の「一瞬の光」と「不自由な心」。
男の人の描いた話だなーと思うところもあるが、とてもとても誠実で、伝えたいことがあることが良く分かる。文章も人物の造形も好き。とても丁寧で、無理がない。中年の人は特に滲みるのではないかと思われる。もしかして同い年かちょっと上ぐらいかこの人は。*1
しかし若い女とおっさんという組み合わせが多いなあ。若い娘はそんなにおっさんが好きか?というと、んなこたーねーだろ、という感じではあるが。文化的断絶等が危ぶまれるし。個人差ありにせよ。つっても自分が年下の方が興味が持てる人なんでよう分からんのかも知れん。
例えば、若い男とおばはんという組み合わせが多く見られる森揺子女史とは対照的。
疲れちゃった主人公は、心と体の角質化が少なくとも自分程は進んでいない、柔らかそうな相手に惹かれ、癒しを求める。ちゅーことかしらん。ほんとに癒しが得られるかどーかは別として。
しかし組み合わせは対照的とは言え、当然ながら似通ってるとこもあり。
ディスコミュニケーションの果てにコミュニケーションを求めて。
男と女で立場的には合わせ鏡というか。結局同じ像を映している。どこをどういう風に見て切り取ってるかは異なるけど。
森さんはテーマ自体が男女の関係性そのものにフォーカスされて、ディスコミュニケーションの哀しみが綴られてるけど、白石さんは関係性を含めたもっと色々だし、コミュニケーションについてはずっと楽観的かも。んーというよりは、愛情の永続性を信じてるというか諦めてないというか。


りえぞう先生面白過ぎる。

*1:七つ年上であった