Lost In Translation

ビル・マーレイが可愛い。
観る前はただのおっさんにしか見えなかったが。えーこんな老けたおっさんと若い娘の取り合わせな訳??みたいな。
そーれがひどくチャーミングで。側にいたら好きになりそーです。てかお付き合いして欲しーです。ええ。
友人が出演者全員が嵌まり役と言ってたが、まさにそんな感じ。
結婚二年目のスカーレット・ヨハンソンが、隣に横たわる結婚二十五年目のビルに尋ねる。
「結婚は楽になる?」と。
本当にこの主人公はソフィアなんだなーとちと切なく感じてしまった。彼女は離婚してるし。
ビルの答えは「いや」。「子供ができるともっと複雑になる」。
はっ、そーか。今気付いたが、あのスチャラカな感じの写真家の旦那はスパイク・ジョーンズなのかあ。
「夫はわたしのことを傲慢だと言うの」。
ソフィアは頭良過ぎたのかも?いやいや投影ではあっても同一人物ではないのだから、真相は謎だが。
ビルとスカーレットの別れは分かっていながら途轍もなく切ない。
溺れかけの者同士、という言い方も出来るけど、束の間でも出会って触れ合えたのは、余りに貴重な偶然のもたらした掛け替えのない時間であり。
ビルがスカーレットに囁いた言葉は何だったのだろう。と観客が思いを巡らせる空白も残されている。
若い娘もおっさんも、死ぬ迄惑い続ける道の途中。その束の間の憩い。
心に残りました。
しかし映画のエンディングに「風をあつめて」を使う外国人の監督なんて、他にいるだろうか。
やはり愛を感じずにはいられなかった。街と、音楽への愛。